
計画よりもまずは動くことを考えていた。
しかし実際に計画を立ててみると・・・
計画はなぜ必要なのでしょうか。
会社経営が頭で思い描くようにうまくいけば何も問題はありません。しかし現実は問題だらけです。計画を立てずに経営をするということは、海図を持たずに航海していることと同じです。リスクが大き過ぎます。
そしてなにより、計画を立てないと問題点が見えてきません。
しかし、
来年は売上いくらにしますか?
今年の5%アップかな
じゃあ、季節変動を考えてエクセルでつくります。
というような計画は作っても無駄です。100%うまくいきません。
なぜでしょうか?
それは社長の思いが込められていないからです。
私が計画づくりをお手伝いすると、実際の数字に入る前に経営者には頭に汗をかいてもらいます。
社長の頭の中にある思いを紙に書き出す作業は実際たいへんです。しかしその大変さを経て、そしてようやくここから数字に落とし込んでいくのです。
このように苦労して立てた計画も計画どおりにいくことはありません。
計画に対して実績は必ずといっていいほどズレがあります。
計画と実績の差、実はこれこそが事業だと私は思っております。
問題点もその対策についても、計画と実績の差、すべてここからがスタートです。
成功する経営はあなたの思いと正しい情報を盛り込んだ計画をつくることから始まります。
さて、その具体的な中身をお伝えします。
1.経営理念をかかげよう
一番大事なのは社長の思いでつくるということ。
経営理念がなぜ必要かというと、それが会社の指針になるからです。例えば社長がいなくて独断専行をしなくてはいけない状況になった時に、判断の指針になります。全社員の行動規範、行動基準になるものですからぜひつくってください。
● お客様に対してどういう方針であるのか
● 従業員はどういう従業員であってほしいのか
● 会社としてどのように社会に貢献していくのか
この3つを経営理念の中に取り入れてほしいと思います。
そして、当初作ったばかりのときは、1〜2年は朝礼や会議、終礼等行事などでみんなで唱和をします。とにかく経営理念は考えなくても言葉でいえるという状態にしておくことが重要です。
社是や社訓といった規範となるものが明確に示されていてこそ、社員は行動や考え方の拠り所をもつことになります。
そうはいっても経営理念を作るときにはたいへん苦労します。その場で書けと言っても書けるものではありません。よく参考資料として、よその会社の経営理念をコピーして渡しますが、やはり最後はみなさん自分の言葉で書いてきます。
社長の思いが社員に浸透したとき初めて、経営理念が組織風土になるのです。
2.中・長期経営計画(3〜5年後)
私見ではありますが、100名を超える企業においては必要不可欠なものであり、小規模企業の短期経営計画に準ずる性格を持っていると思います。
会社の規模が大きくなると、商品にしても取り扱う品数が増え、また管理体制も部門制を取るようになります。
中小企業だと経営者が現場に近いところにいるので、現状の把握ができます。しかし組織が大きくなると、経営者にはお客様の状況や作業現場から遠くなり、適時適切な状況把握が困難になります。
そういう中で、商品開発には多様性とスピードが求められています。主力商品といえども、他の会社で技術革新をされたら、あっという間に自社商品が駆逐されてしまうという危険性がある時代です。
常に自社商品や製品のライフサイクルの分析をし、また新しい商品開発をいつまでに行うか等のビジネスモデルを構築しなければなりません。
さらに「乾いた雑巾を絞る」ということばがありますが、コストを抑えて、効率能率を上げるといっても限界があります。できることとできないことがあるわけですから、その指針となる中長期経営計画は不可欠なものになります。
このようなことを踏まえながら、短期計画だけだと見えずらい将来性を分析するのが、中長期経営計画です。
3.短期利益計画
1年間の事業方針の政策になります。
実はこれを作るのには、会計事務所のプロと一緒に関わって2日間かかります。
多くの中小企業では扱う数字は小さく、経営者がある程度把握ができているのでここまでしっかりしたものは作られていません。
そうすると感覚で経営することになり、「こうしたほうがいいよな、わかってはいるんだけれど」「忙しくできない」「時間がない」ということになってしまいます。改善案はわかっていても、感覚だけでは「○月までにやらなければいけない」という推進力にはならなのです。
しかし、「こうしたほうがいいよな」ということが、計画で数字としてしっかり明示されると、「そうせざるをえなく」なります。いつからスタートして、いつまでにやらなければならない、ということで確実に実践に結びついていきます。
具体的にどのようにすすめるのでしょうか?
まずは支出を固めます。
支出は過去5年間の月別の勘定科目の推移を見れば、今期にかかる経費はほぼ100%予測ができます。誤差はほんの少々です。
あとは昇給幅・設備投資・事業として何を行うか予測を立て、今期出したい利益を組み込めば、必要な売上目標と粗利益目標が確定します。
どうすれば実現するかを確定し、社員の日常の行動計画へと落とし込みます。
この短期利益計画のポイントは、財務面から立てているので、損益計算書で計画ができ、評価ができることです。
評価については、月次決算が翌月10日までには出てきますので、それをもとに会議を行います。会議の日程も年間スケジュールであらかじめ押さえておきます。数字で目標管理ができ、また数字で評価できるということでないと意味がありません。
この短期利益計画をやるメリットは、なんといっても利益の出る体質になるということです。それと実際に立てた数字と実績がほぼずれないということから、数字に対する信頼が増し、安心して経営ができるようになります。そして、短期の利益計画なしではこわくて経営ができなくなります。
多くの経営者は、感覚で「うまくいった」「うまくいかなかった」といっていますが、短期利益計画を実行することにより、「なぜうまくいったのか」「なぜうまくいかなかったのか」その理由が分析できるようになります。そしてそれが毎月、自社の貴重な資料として保存されていきます。
この資料が、困った時の解決策にもなりますし、いつどんなことをすればいいのか戦略にもつながっていくのです。