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こちらでは、パート社員が8割を占めており、パート社員、女性社員の活用が大変うまくいっていると聞いております。
本日は、なぜうまくいっているのか、その仕組みを教えていただきたいと思います。
女性が、仕事を続けていく上で障害となることに対して、どのように対処すればいいのか。まず、そちらから教えてください。
ええ、女性社員・パート社員特有の問題がネックになり、責任ある仕事に主体的に取り組んでもらうということができていないので、本当の意味での女性社員・パート社員の活用ができないというのが現在の状況です。
男性社員と同じ仕事ぶり、結果を求めていくといった中で、女性社員・パート社員の活用がなされていかないと、なかなか業務領域の拡大・利益の拡大はないと思います。
今まで考えられてきたような、男性の職場に女性がいることによって職場の雰囲気が柔らかくなる、また電話応対・接客などは女性がいいし、補助的な仕事をしてくれればいいといったような認識の仕方だと、女性社員・パート社員で利益を上げるという考え方に結びつけるのはむつかしいと感じます。
しかし意識を切り替え、女性社員・パート社員の戦力化によって、その特性を生かしながら仕事がなされれば、男性社員以上の生産性と業務の効率化、きめこまかなサービスの提供が可能です。
では、具体的に女性社員・パート社員をどういう形で使っていこうとお考えですか。
例えば出産子育てということであれば、
● 産休の期間(一年ほしいのか、あるいは半年ほしいのか)
● 出産明けをどういう形態で働いてもらうのか
● 子育ての期間はどの時間帯で一日何時間くらい働けるのか
● その間どのような穴埋めをしていくのか
等を女性社員・パート社員と理解を持って話し合い、働く仕組みを作ることが必要になってきます。
またご主人が転勤の時は、別居して働くことが可能なのか、ついていかざるをえないのかが大きなポイントになります。
状況に対応していくということですね。
はい、会社ですから自分の給料以上に稼げる人であるならば、そういう人がいればいるだけ会社は儲かるわけです。
どうすれば自分の給料以上に働いてもらえるのか、またそういう職場をどうすれば提供できるのか、そこを考える必要があります。
例えば、5時間労働のパート社員を2名採用すれば1日10時間分の仕事ができます。5時間労働で週5日、時給900円とすると103万円の扶養の範疇で、働く人を2名採用して1年間で206万円の人件費。
今、男性社員を1名1日8時間労働で採用すると、どんなことしても給料や福利厚生等を考えると400〜500万はいることになります。
男性社員1名分の人件費が、パート社員が2名で1日10時間206万円ということを判断した時、どっちが得かということなんです。パート社員2名が男性社員1名分の働きができないかというと、そんなことはありません。
なるほど。
女性社員・パート社員であっても男性社員以上にがんばってやってくれる人は実際にいますし、今まで目にしたことはあるはずです。
仕事の成果や職務行動に応じて、それに見合った報酬を払っていくのは当然のことです。パートから正社員、正社員からパートという柔軟な雇用システムが必要です。成功報酬というこのやり方のほうが従来の正社員の給与のように期待料込みの給与にしなくてもすむというメリットがあります。
まずは103万円の範疇で、働いてくれるパート社員さんをどう戦力化して仕事をやってもらうか、それは取りも直さずマネージメントそのものだと思います。
女性社員・パート社員がどのような条件であれば働けるかということをクリアできる仕組みがあるかないか。このことが女性社員・パート社員の戦力化と活用ができるかどうかの大きな分かれ目・起点になっていると考えます。
会社側の受け入れ体制ということでしょうか。
はい。たとえば、女性が正社員で働いて結婚し、子供ができて出産退職というのでなく、育児休暇を取り、子育ての間はパート社員として働く。また子育てが終り、正社員として働くことができるなら正社員として働く。という本人の了解と会社の仕事の作り方の中で、活用を図ることができると会社にとっては非常に大きなメリットがあります。
実質的には5時間であっても、8時間勤務の時と比べてどれだけ仕事の違いがあるかというと、実はそんなに違わない。この事実はこのようにパート社員の活用をしている企業にとっては充分理解ができる話だと思います。
時間がなければ時間がないような形で仕事をし、またこなしていく、そういった能力というのは人間は非常に優れています。現実やらせるとできるというのが過去の実例からみても、私は100%確信が持てますのでそこは問題にする必要はないと思います。
5時間ならたとえば9時から3時まで働きたいという意向があるとき、103万円のパート社員で会社がOKを出せるかどうか、また昼12時から5時まで働きたいという希望にOKが出せるかどうか。
それは他の構成をする従業員のメンバーとの兼ね合いもあるだろうし、仕事の割り振りもあるけれど、そこらへんがうまくいくと、非常に安い賃金で、高い生産性を上げる事ができる。
そこのところをしっかりとらえないと女性社員・パート社員の活用、戦力化はしづらい。
女性社員の給料が、男性社員の給料の30%近く安いというのは事実で、本人達にとってはありがたいことではないが、企業にとっては非常にありがたい話。高賃金国家になっている日本にとっては、低賃金労働者であって、優秀で質の高い労働力を確保できるというのは、逆にいうと女性社員・パート社員以外では考える事ができないわけですから、宝の山をほっておくことはない。特に中小企業においては、そこを活用することによって、まだまだ大きな収益をだしていくことが可能になってくるはずです。
特性を生かして戦略化していくということですね
もし性別で判断するならば、男性は要点をつかんで、状況対応をしていくときの瞬時の判断力があり、また臨機応変に対応できる。この点に特質性、優位性は認めることができる。ただ、ていねいで・間違いの少ない・根気良く忍耐強い・ソフトさというような領域であるのなら、女性の方に優位性があります。
具体的には?
そうですね、小売業・販売業・事務職・品質検査等々。たとえばデパート社員、スーパー、コンビニの店員などこういったところで女性の活躍が多い。これを男性社員がやったとしたら、売上と利益の関係で成り立たなくなると思います。営業で一番きびしい領域だと言われている、保険会社もトップセールスは女性が大きなウエートをしめています。
それは、証券会社しかり、金融機関の窓口なども圧倒的に女性が多い。そういうところはなぜかというと、ていねいで・間違いが少ない・お客様に不快感を与えないということが求められるので、女性の活用がなされている。女性の特性を生かして、仕事の洗い出しと区分けをして仕事づくりをし、女性が働きやすい形態・システムを作りあげることが収益性につながることは確実です。
なるほど。
女性の職域の中で、当社でも行っている電話応対・来客応対・ビジネスマナー・事務処理・パソコンの活用補修などに女性の活用をしていく。ここまでは多くの会社で実行されていると思います。この先営業・インストラクターといった外部からお金を持ってくる仕事が重要になります。ここについても私どもはトップクラスにあると自負しております。
一般的なビジネスの世界を見ても、女性社員・パート社員さんの活用が上手くなされ、元気のある会社は儲かっている。反面女性社員・パート社員の活用が上手くなされていない企業は利益が出づらく苦しんでいます。再度こういった視点から周りの会社を注意して見てください。
女性の戦力化は避けては通れない時代になっているので、真剣に対処していく必要に迫られているといえます。
現在、女性社員・パート社員さんの実態はどうでしょうか。
まず働く動機から説明します。女性社員・パート社員として103万円の範疇で働いたとして、1日4〜5千円です。しかしこれは金額ではなく、社会とのつながりを持っていたい、家庭にとじこめられたくない、という動機のほうが圧倒的に強いです。
イヤイヤ働いている人と、自ら仕事をしたい、社会とのつながりを持ちたいという人とでは、実は違いがあるのです。
男性社員の場合は、働くのが当たり前という風潮の中で、働かないと白い目で見られるのでイヤイヤ働いている、もしくは働くことに対して強い意識をもたずに働いている人たちがいるというのも事実です。女性は出産・子育ての時は働かないのが当たり前の価値観の中で、それでも働こうとするのだから、意識が高いのは当然です。また明確に意識を持たないと家庭からはなかなか出てはこられません。
少なくてもそういう女性は、働くという事を真剣に考えています。意識を持って働こうとする人とそうでない人とではあきらかに違いが出てきます。そういう労働力をいつかまたいなくなる、一生やり続けてくれるわけではないという理由で、サポート・補助の仕事だけに留めておくと、収益が上がらず、メリットは多いと思います。
収益とメリットについてもう少し教えてください。
補助の仕事だけで評価されにくいという中で働かされると、比較検討もできません。男性社員と対等の仕事を与えて比較検討すると、女性の優位性が出てきてしまうのが現実です。
私どもを例に取ると、男性社員がどんなに頑張っても、給料の倍ぐらいしか稼ぐことができません。しかし、女性の女性社員・パート社員は頑張る人は5倍稼いでくれています。平均でも4倍ぐらい稼いでいます。男性は平均1.8倍ぐらいです。
そこに、女性の賃金が3割ぐらい安いという、企業、組織に取っては、メリットが出てくるわけですね。
そうです。人生経験も若い男性社員より、出産・子育てを経験してきて、キャリアが10年もあれば、比較にはならないほど能力も身につけているのも事実です。
女性スタッフの話が出てきたところで、こちらで、どのように女性社員・パート社員を活用してきたか、その違いを教えて下さい。
はい、平成元年には女子の社員が4名ほどいまして、後は総務経理にパート社員の女性が2〜3人いたぐらいで、男性社員が行う仕事に女性社員・パート社員さんは1人もいませんでした。
この業界はいったん契約し依頼されると、会社が廃業するか倒産しない限り、その企業と長く取引が続く業界です。
そういう信頼関係がベースになる中で、経営者を相手に話をしていく・、相談に乗っていくということが、いつ辞めるかわからないような女性社員・パート社員にできるわけがない、とんでもないということはありました。それで女性の活用がなかなか進まなかったのは事実です。
とは言っても、収益性のことを考えるとこのままではいけないということは常に意識の中にありました。
この業界は新規獲得がむつかしい業界です。また、社員の多くが勉強しながら実務経験を積み、資格を取って独立しようとしています。
そうすると、お客様のニーズに答えお客様のために仕事をやっていくということよりも、自分の資格取得のことが優先課題となってしまいます。
そういう中で、女性社員・パート社員をテスト的に採用し、今まで男性社員がやっていた仕事をさせてみたところ、お客様の評判が良く、我社はむしろ、こういう女性社員・パート社員のほうがありがたいという声が多かったのです。
お客様が良いというのであれば大丈夫だということになり、いっきに女性社員・パート社員さんの活用を進めようと、大量に募集をかけスタートさせました。それが成功して、収益性とお客様からの評価の中ということでは、県西部で1、2番のところについていると思います。
我が国の労働者の4分の1がパート社員で占められているという現実がありますが、女性社員・パート社員に限って考えた場合、できない仕事はありますか?
基本的にはできない仕事はないですよね。仕事をやらせるか、やらせないかだけで男女の差はほとんどないです。仕事を与えればほとんどこなしてしまうほど日本の労働力の質は高いです。
経営者の方でできないだろうと思い、与えてないということも多いでしょうか?
できないだろうというより、やはり何時かは辞める人という考えがある。そうすると、会社としては何時かは辞める人に習熟度を必要とする仕事や大事なお客様を任せることはできない。だから一生いてくれる男性に重要な仕事を与えるということなんですが、現実は大きく違います。
実際には勤続年数は平成12年で、男性13.6年、女性は8.9年ですからほとんど変わらなくなってきています。(労働大臣官房政策調整部「賃金構造基本統計調査」より)
これを聞くとみなさん驚かれますよね。
そうですね。しっかりとしたデータよりイメージが先行していますね。でも最近は感覚が実際の数字に合ってきていますから、主体的な仕事・責任ある仕事を女性に渡すという方向になってきて女性のマネージャーも増えてきています。
ところで、男性社員がやる業務を女性社員・パート社員に変更した時に一番難しかった、大変だったというのは何でしょうか?
そうですね、大変ということではなくて、要はお客様がOKしてくれるかどうかでしたね。OKしてくれれば、何の問題もないわけですよね。
でもOKをもらうことは企業にとって大変革なんですよ。しかし蓋を開けてみたら、いとも簡単にOKの返事をもらってくることができたんです。
考えるよりも実際にやってみて、そして結果で判断することができればいくらでも前に進むことができると確信しました。
大手の企業ではそれを実行するのは大変だと思っている事が多いように思いますがいかがでしょうか?
失業率も上がって、ワークシェアリングだとかいわれていますが、今ある仕事をみんなでどう進めるか、誰に渡していこうかということがスムーズにできにくいというのが現実です。
女性社員・パート社員を積極的に採用して、男性社員がやっている仕事を渡していく。そうすると男性社員はより高度で、むずかしい、数字に直結するような仕事をやってくれるのが理想ですが、なかなかそういう男性社員は少ないです。
今やっている仕事が本当に男性社員でなければできない仕事なのかというと、ほとんど女性社員・パート社員でやることができます。男性社員でなければできない仕事はほとんどないというのが現実です。
あとは会社が人件費をどうとらえ、どう活用して割り振りをしていくのかは経営者の決断にかかってきます。
決断すれば、採用の仕方・活用の仕方などは、いくらでもやりようがあるので、まずはやってみよう、走りながら考えようということでいいですか?
走りながら考えるということで女性社員・パート社員の活用は問題ないと思います。
採用時の判断ミスさえなければ失敗する事はほとんどないでしょう。
ただ、補助・サポートなどに終始し、主体的な仕事を与えず、ただ5時間会社にいるだけ、電話番と来客応対だけにしたのでは失敗に終わってしまう可能性があります。
やる気も意欲もある女性を男性と同じようにノルマを与え、扱うことができる中小企業の社長はどのくらいいるのでしょうか。女性だからと扱いを弱めてしまってはいないでしょうか。
現実には、まったく同じ扱いをしている会社は少ないと思います。
よくやってくれています、頑張ってくれますということはよく聞きますが、それは会社のことを良く理解して協力してくれているということで、数字や業績を出してくれているということではないのです。
特に中小企業の場合は、男性社員で優秀な人を採用する事が難しい中で、女性ならば優秀な社員をたくさんとれる、採用できるのです。むしろ中小企業は女性の優良労働力をしっかり手に入れて働ける形態や業務、仕事作りをすれば面白い組織ができるという可能性があります。
実際私どもでは8割が女性社員・パート社員です。
そういうシステムをつくるためのポイントは何でしょうか?
そうですね、まったく男性社員と同じ扱いをするということがポイントです。ただ、勤務時間帯と給料が違うだけです。それで対処していく。
優秀な女性社員・パート社員、やる気のある人達にとっては望むところです。それを安い賃金で使えるのだから、やらない手はない。ノウハウはそこです。女性社員・パート社員さんたちを補助・サポートにしないで主体的な仕事にどんどん活用していくことです。
やりますか?やってくれますか?と決断を求めた時には、みなさんの返事はどうでしょう?
OKですね。一生懸命勉強もするし、与えられた仕事もいやがることなく、懇切丁寧に間違えずに粘り強く辛抱強く取り組んでくれます。
ただ力仕事はできないじゃないかとよくいわれますが、会社の中で30キロ以上の重たさのものをどれだけ扱うかというとそんなにないですよね。建設現場のセメント袋で30キロです。そのくらいなら女性でも可能ですし、それ以上重い資材になると男性でもたいへんです。
むしろそれを手軽に扱えるように作業改善や工夫をして、みんなが楽に
仕事ができるようにする方が賢明だと思います。
女性の活用はどんどん増えているわけですね。
はい。今社会環境の中で地球に優しいとか、社会生活全体がソフトさ(優しさ)を求めています。
文章ひとつとっても女性の文章は、ソフトで心地よい、読みやすく理解がしやすいという特徴があります。一方男性の文章は簡潔明瞭ですが、よい文章を書こうとしすぎて、相手が理解しづらい。特にお客様に理解してもらう文章ではなくむしろ官僚の文章に近いと思います。そういう文章をいつまでも書いていては商売しても上手く行かないでしょう。
これからのやさしさの時代、女性の活用はどんどん増えていくでしょう。またそうするべきです。
逆に男性が子育てをしながら、家庭を持って仕事をやるとなったら、どのぐらいの人ができるでしょうか?女性は今現在多くの人ができているのです。相当の能力だと私は思います。
時間が自由にならずに拘束されることが多い状況で、それでもやれる・やらせればできるということは理解しておいても良いと思います。
女性の活用が会社を大きく成長させる、今優秀な女性が求められているということがよく理解できました。これからもがんばっていきたいと思います。どうもありがとうございました。
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