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本日は、中小企業の社長は具体的にどのようなことに困っているのか、管理職・組織のことに関してお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

はい。中小企業の経営者が困っているのは、まず自分の代わりにやってくれる人材がいないということですね。

大企業の場合には、仕事の職務、立場と役割でやっていくんだけれども、中小企業の場合には、人数が少ないので全ての仕事の担当者であるから、何でもやってもらいたい、色んな事をやってもらわなければいけない。

その場合に社長の感覚でやらずに自分の感覚でやってしまう、自分の代わりになる人がいてくれないということに非常に困っている。自分の感覚でやって、社長以上の成果を出してくれるとそれは大いに結構、しかし往々にして社長がやったほうが間違いなく高い成果と結果が出せる。そのレベルで期待をしてしまうから、自分のやり方でやられちゃうと生産性が合わなくなってしまう。大企業の場合には、利益が出るシステムができているので待てるけれども、中小企業はシステムができていないので待てない。資本も少ないし、社長のレベルでがんばらないとやっていかれない企業が圧倒的に多い。まずそういう意味で、社長の代わりに仕事をやってくれる人が少ない。

経営者は事業に責任があるから、赤字だとやはりたいへん。サラリーマンは赤字だろうが黒字だろうが給料をもらえればいいと。やるべきことをやって時間を使ってやっていると給料が入るという中で、緊張感と切迫感がない。だからスピード感がずいぶん違う。中小企業の経営者はスピード感があるから、逆の言い方をすると短気で爆発する瞬間湯沸し器が多い。

本当は従業員にもそれぐらいの短気さで仕事をしてもらいたい。

では管理職に求められるものと重なる部分が多いと思うのですが、短気さにしてもそうですが、ズバリ中小企業の管理職は、経営者の片腕になってほしいということですか?それぐらいの意志でやってほしいということでしょうか。

要は片腕というのは、全員が片腕の必要はないの。一人片腕になってくれるのがいてくれればぜんぜん違う。例えば、経営者がこうやりたい、ああやりたいと言ったときに「それは無理です」とか「できない」「たいへんだ」「むずかしい」ということがたくさんあるんだけれど、そうではなくて「はい、やりましょう」と。そこはやるたいへんさは、みな同じだから、そこで「やりましょう」と言ってくれる「ぜひやるべきです」と賛同してくれる人間が一人いてくれると、勇気百倍でがんばれる。ところが往々にして、何かを言うとみんなが反対する、それでは経営者の前に出て行こうとする意欲だとか力だとかが弱められちゃうし、その反対をする人を説得する人がいなくなってしまう。

ほんとにこれはやるべきだと、みんなが一生懸命そっちの方向に向かってやっていこうとするということができなくなってしまう。

そして、不満たらたらで作業として仕事をやってしまうから、結果として短時間でできるものがものすごく時間がかかってしまって、企業の成長力を奪ってしまうということが多い。

社長が何かやろうと言った時に「はい、やりましょう」と言ってくれるからには、当然その方には実力が必要なんですよね。

実力ということではないんだよ。要は社長が指示を出していくわけだし、やろうということで管理職の人が1人で自らポンポン動くことではなくて、やはり社長のやり方でやっていく必要があるから、「じゃあここのところでこのように進めて下さい」とか指示を出してもらえるから、そんなにたいへんなことではない。それはふつうの作業とまったく一緒という感覚の中でやっていけばいいだけの話。

ただそのときに前向きにチャレンジをするか、無理だとかできないとかたいへんだとか不平不満をもちながら仕事をするのと、えらい違いがある。

成果としては、不平不満をもってやると2割ぐらいの成果しか出せないけれども、前向きにやれば8〜9割の成果を出すことができる。その違いが出てくる。

社長が全員を説得するということはすごく難しくて、だから前向きな管理者が、「いやそうじゃない、会社のためにこれはどうしても必要だ」と、仕事はたいへんかもしれないけれども、会社が成長していくためもしくは、うちの会社にとってこれをやることがどれだけ大切かということが、その管理者を通してみんなに浸透できればそれでOK。

「はい、やりましょう」と言った時に、下の人たちに「こういうことで社長は考えているんだよ」と説得をして、納得をしてもらうという仕事が8割ぐらいですか?

そうだね、それが出てくるんだけれども、幹部社員の1人がそう言った時に、社長が言い、また幹部社員が言った時に、面と向かって反対するやつはいなくなるということも事実なの。そっちの方向でやりましょうという雰囲気がすでにその段階でできあがる。その1人がいるかいないかで大きく推進力が違ってきてしまう。

で、残念ながら中小企業にはそれがいない。

社長が言ったことを「はい、やりましょう」と言ってしまうと、自分がやらなくてはいけない、すごくたいへんなことと思ってしまうんですが、そこらへんは社長に確認をしながらやっていけばいいと。要は仕事のひとつだと捉えればいいということでしょうか。

そういうこと、そういうこと。だから逆にね、そこは社長がどう考えてどうやろうとしているのか、しっかり把握をしなくちゃいけなくなるから、社長と相談だとか確認だとか手順だとか、そういうことをやっていくので、相談が非常にスムーズになってくるし、当然やったところまでの報告だとか確認事項だとか相談しなくてはならないことがまた出てくるから、中間報告もしっかりできるようになってくるし、そうすると幹部としての役割がそこでなされていくというのかな。

ふつうの管理者というのは今言ったような形で仕事になっているから、報告もできるし相談もできるし、マネージメントもできると。中小企業の管理者はそういうスタンスで仕事をしないから、報告もない相談もない何をやっているか訳がわからないということになってしまう。それで結果はさっき言ったように2割ぐらいの結果しか出てこなくて、「あいつら何やってるんだろう」と社長は思いながら、期待はしているんだけれどもなかなか自分の思ったとおりに結果が出てこないし、やってくれないと。さぼっている・遊んでいるとは経営者は思っていない、ただうちの社員は何をやっているんだろうと。一生懸命やっていない、真剣みが足りないというのは、そこを指して言ってるわけ。

社長がいつもおっしゃっている「自主的に・主体的に仕事をする」というのが全てに影響してくるということですね。

そうそう。

「自主的に・主体的に仕事をする」と、当然ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を活用しなければやっていけない。

前向きにチャレンジをしていく、仕事に取り組んでいくわけだから、当然主体的にもならざるを得ないし、責任も出てくるし、自分の意欲もものすごく高まってくるよね。逆に批判的に「そんなの無理だよ」「やっても意味ない」というと、嫌々やらされるというスタンスになるから、報告も相談もできなくなっちゃうし、自ら面白がって仕事に取り組むということができなくなってしまう。そういう環境の中で従業員全員働かせているのは誰の責任かというと、幹部社員が1人いるかいないか。そういう幹部社員が1人いてくれればみんなも前向きに働けるのになと思える中小企業が多い。

自然発生的にそういう幹部社員・理想的な幹部社員がいるという組織は、何割ぐらいですか?中小企業だと。

50人位のところまでいくと、一人いる。業界や周りの環境が良くて、人材が必要なくても伸びているという会社は別なんだけれども、ふつうの環境の中で50人クラスになるまでには1人いる。20人位のところでなかなか前に進めない、もしくは足踏み状態になっているというのは、その1人がいるかいないかだね。

管理職の資質というのは先天的なものではなくて、与えられて気付いて変わることというのはもちろん可能ですよね。

ただ大企業だと、理論的にあるいは、仕組みで物事を考えることができる人たちがいるから、役割を担っている人がいないと思ったら、気が付いてやりだす人間が出てくるんだよね。ところが中小企業は教育に費用をかけることができていないし、日常の仕事のやり方・習慣になっている部分だとか、毎日やっていることに関しては習熟をしていくけど、「気がつく」とか「よりレベルアップ」「もう一段上の仕事」をするために、どうしたらいいのかということに気付く人が少ないんだよね。気付かないから、仲間内の中で推移をしてしまう、だから全部が仲間集団になってしまう。そこに気付いて一人出てきてくれると会社はまた発展ができるんだけれども、仲間内で例えば会社批判だとかトップ批判をやっていると、いよいよもって抜け出せない。

それではこの研修を受けると、要は何かのスイッチですよね、スイッチを入れることができる。

そうだね、気付かせることができる。やらなきゃいけないということは分かるんだけれども、気付いて職場に帰った時に、今までみんなと同じレベルで対応していたのを、研修が終ってガラッと職場で行動が変えられるかというと、それを変えることができないというのかな、そういう現実はある。ほんとに有能な人というのは、気付くと即行動が変わっていく人たちがいるんだということも事実なの。

それは何割ぐらいですか?

2割ぐらい。

2:6:2の法則ですね。(2積極派:6体制派:2反対派)

そう。過去の経験だとか個人の能力が左右するんで、必ず2割ということではなくて、グループによってはかなり変化する人も出てくるし、ぜんぜん変化できないグループも出てくるし、平均すると2割ぐらい。

いずれにしても研修の限界というのはその場限りというのがあるんで、それをしっかりと定着あるいは組織の中で活かすというのであれば、研修の前に「どんなことを期待しているのか」を伝えて、研修後「どうだったのか」というフォローをすることがすごく大事。

研修前と後のフォローが重要なのですね。

そう、重要なんだ。研修で気付いて帰るから、今度は会社のトップが「おまえどうするんだ」と。会社とともにおれと一緒にスクラムを組んでやっていく気になってるのか、いやそうじゃなくて今まで通り従業員と一緒の形で仕事をしていくのか、どっちなんだと決断を求めなければならない。

研修の参加者に対して。

そう。本人が決断をするまで2ヶ月も3ヶ月もという話ではなくて、それは無理。決断をするんだったら1〜2週間。もう間違いなく決断をするから。もしくは社長がそう言った時に「やっていきます」と言うか「いや私にはそんな能力はありません」と断るか二つに一つ。

断った人間を未練がましく育てようと思っても、それは無理。それはその人の生き方なんだから。社長と同じような人生観を持ってないし、社長と同じように働こうとは思ってないんだから。それはそのレベルで活用していくということを考えるしかない。片腕が欲しければ違う人材をまた目星をつけていくしかない。そこのところで、こいつはきっとものになると手間隙かけて1年2年3年4年かけていると、1年2年3年4年足踏み状態になってしまう。

経営会議の中で個人面接をやっているのはそこのところなの。「おまえは決断をしてやるのか、やらないのか」社長はこう期待している・会社はこう期待していますよと。であなたはそれに対して、やる気があって期待に応える努力をしてくれるのか、くれないのか。それを個人面接で確認している。そこでやるって言ったら、期待してどんどんやってもらう。当然期待しなければいけないわけだし。そうすると高い成果が出てくることになる。

個人面接をやるかやらないには大きな違いがある。これがスイッチになるんでしょうか。

そう。知識を行動に変えることになります。それが。

「わかった」ということから「できる」ということに変わる。

「わかった」の状態だと行動は変わらないから、結局今までと同じ。要は行動が変わってはじめて組織というのはメリットというのが出てくるわけだから。

評価もされますしね。

そう。「できる」に変えることがすごく大事。

では逆に言うと多くの中小企業ではそういう決断をさせる場面はないということでしょうか。

そういうこと。

何と言いますか、全てが曖昧になっているということでしょうか。

そう。

期待することも曖昧だし、本人達もまあこんなもんだろうというので、お互いに自分の判断の中でやっているということでしょうか。

そう、競争もないしね。年数で順位付けになっていて、給料も年功序列で年数で給料が高い安いになっているのが多い。やる必要性を従業員も感じていない。大企業は管理職になろうという競争原理が働いている。役職になると給料も一気に変わってくる。動機づけはされている。ところが中小企業はあくまでも中小企業だから、動機付けは何もない。その違いというのはやはり大きい。

そこは決断という意味で、しっかりと期待を伝えていくことがすごく大事になっていくんですね。

本人も自覚をするというのかな。かといって全く気付いてないとか考えてないということではなくて、うすうす思っているの、みんな。

それを明確にしちゃうとたいへんになってしまうと思っている。

そうそう。それで決断を求めた時に「やります」と言うのは、まあ面接のやり方があるもんだから、だいたいみんな「やります」って言っちゃうんだけれど、実際に行動として変化してやりだす人たちというのは、やっぱりこれは2割もいない。

そうですか?

うん、これは1割いてくれれば。要はこれは社長の片腕だから一人いてくれればいいんだから。

あっ、そうですね。でもあの、そういうことを意識をさせるということではすごく意味があるんですよね

そうそう。その意識をするということではじめて、今度人に伝えるということができるわけじゃない。意識してないと人に伝えることは絶対にできないから。そうすると意識がされていれば幹部として部下指導ができる。意識されていないと部下指導もできないし、みんなと一緒。

それでは、中小企業の管理職には、そこが一番足りない。

そう、足りない。

曖昧模糊になっているというその部分ですね。それは経営者は伝えているつもりなんでしょうか。

「分かってくれるだろう」と期待している。だから期待で役職につけている。

分かってくれるだろう...。

ただ本人は分からない。で従来と何も変わらない。下手をすると従業員の親分を作ってしまったと。

そうすると自然発生的に自分からという人はどうなんでしょうか。

逆に自分からというのは、職場環境の中ではなかなか気付かないし、習慣化されているから自分からというのはなかなか出てこない。だから中途採用で優秀なのを入れるとがんばる。社長の片腕となる可能性が高くなる。ただ中途採用もよその会社でもいらないという人を採用したら、期待したって絶対無理。要はよその会社で評価をされていて能力も高い、本人も能力アップ・レベルアップを考えているような中途採用者でないと期待しても無理。よその会社でも手放したくない・欲しいという人でないとそこまではできない。中途採用もよっぽど注意をしないと。むしろヘッドハンティングをするぐらい。社長が見込んで是非と連れてくるような人間でないと望み薄。

そうですか。職場環境の中ではなかなか気づかないということで、お手伝いしている会社では、経営会議の中で久野講師が先方の会社の社長の幹部の代わりをやっていて、こういうふうにやるんだよというのを身をもって、要するに見せているんでしょうか。

そう。要は社長のものの考え方、思考形態だとか、会社をどうしていきたいだとか、みんなにはどうなってもらいたいだとかね。自分は外部の人間だから、本音で伝えてもらえるというのかな。なかなか従業員だと照れもあってそういう話もしてないし、仕事をしていく中でそういうことをしっかりと伝えるというのはふつうの経営者はされていないことが多いの。

そこらへんの中で、マネジメントの理屈というのかな、自分自身も納得できなければサポートなんてできないんだけれど、こういう会議をやっていこうという経営者だから、人や組織運営に関しても真剣に考えてるし、健全性を持っている。納得ができないということはほとんどないの。自分が納得ができる中で、今度はお客さんがこういう感覚でこういう理解の仕方をしてくれて、こういう形で指導をしてくれるんであれば、高いお金を払ってやってもいいよと。とりあえず成果が出るかでないかわからないから、まずはトライアルをしてやってみるということになるね。

具体的にどのようなサポートをしていくのですか?

自分が会社の幹部として、もしくは社長の一部肩代わりとしてやっていく。時には売上が欲しいということであれば、営業同行をして、営業の指導をする。その他には、大体こちらの方が多いんだけど、しつけの領域で、あいさつがしっかりなされないとか、遅刻が多いとか、無断欠勤があるとか、言われたことしかしないと。自分の仕事はこれと決め付けちゃって、その中でコスト計算もしてくれてない。時間から時間まで仕事をしていれば、一生懸命やったつもりになっている。そうではなくて、利益が上がるような形で、商売になるような形で仕事をして欲しい。そのためにはこうであってほしいというのがある。

そういったことを伝えていくのでしょうか?

そう、社長の感覚というのは、お客さんから好かれて信頼されて、あそこに発注を出せば間違いのない仕事をしてくれるという中で仕事をもらっているから、そういう感覚で仕事をしてくれないとお客さんの期待に応えられなくなってしまう。それが極端な話でいくと、さっき言ったようなケースだとか、電話応対だとか職場の中でのコミュニケーション、「できない」とか「たいへん」とか「いやだよ」だとかそういう言葉がはびこっている。そうじゃないだろという部分があるんだけれど、従業員の立場から見ればそれが当たり前と、ふつうの会社もこれがふつうで通っていると思うの。

そういった中で、それを正す人間、やっぱりマネージャーがいて、しっかりみんなに理解をしてもらう納得をしてもらう。それで自分達は給料をもらって働いているんだよということを伝えてくれる人が必要なんだけれども、中小企業だとなかなかそういう人が出てこない。適切なリーダーがいない。勢い社長がそういうことを自分の感覚で伝える。それで伝えられればいいんだけれど、従業員にしてみれば社長は金儲けのためだとか、社長のいうことはそうだけれどもたいへんだよとか、おれたちは使われている身だからそこまでは責任がないよとかいう従業員の考え方があって、なかなか社長の思うようには動いてくれない。

なるほど。

そこで第三者の自分が入っていって、そこらへんのことを社長の代わりに説得をしている。これが一対一だとね、公明さが失われていくもんだから、これを集団で自分達は幹部会議だとか研修というような形で10名から13名を会議の中で指導していくということになるね。

指導内容はマネジメントの理論で接していくから、基本的にまちがっているということはないんで、反論の仕様がない。

それぞれの会社には特徴、強点と弱点があって、弱点で社長が一番困っている案件、または集まったメンバーが自分達が問題と思うもしくは不平不満を意見に変えていくんだけれども、やっていきたい優先順位というのが自ずと絞れてくる。その中で上位3つをピックアップすると経営者も従業員もほとんど一緒なの。

そうなんですか。

そう。上位3つを取り上げると順番こそ違え、その3つというのは共通認識されているという事実が圧倒的に多い。そういったテーマから、職場の中でどう取り組んで解決をしていくのかというようなことを、具体的に一人ひとりの行動におとしこんでいく計画を立てていく。

一人ひとりにですか。

そう。一人ひとりに目標を作って行動計画を立てていく。この中から主体的に自らが仕事に取り組んでいくと、まずは当然自分たちで目標設定をして、自分達でやると。そのときにマネジメントでよく使う5W1H(だれが・いつまでに・なにを・どこで・どのように・なぜ)で具体的に行動におとしこんでいく。

それを毎月1回会議をやっていくから、ここで決められたことが次回の会議までにやってくるという責任とテーマがはっきりと明示されるわけ。これは普段やっている仕事とは別枠になります。従来やっているのは作業が多いわけですから。

これは宿題になるわけですね。

そうだね。そのテーマをやらざるを得ない。逆に言うと次回の研修の時に「まだやってません」「できません」で来ることになる。当初の段階だと当然起こるの、現実に。ところが半数以上はやっぱりやってくる。10名集めると6、7名はやってくるのね、これは集団の健全性というのがあって、集団で物事を取り決めてやると、どんな会社でも6、7名はやってきます。集団の中で非常によくやってくるのが2名ぐらい。まあやってきたよというのが5名ぐらい。

それでやってこない人も2、3名いる。

これを2回3回と回を重ねると、「やりませんでした」というのが言えなくなる雰囲気というのかな、集団がやっているわけで、やってこないのは特定個人がやってこないということになっていく。これだとやってこない人は最初の1、2回は理由がつくんだけれど、そのうちにつかなくなって、研修に対する批判になっていったり、会社に対する批判になってみたりするわけ。そういうのが3回4回5回ぐらい続く中で、だいたい本人がまずいと思ってくる。

そこで行動の変化が見られるのですか。

行動の変化というよりも、今までの職場と違ってきた、変化してきたということを敏感に感じるんだよね。前向きに捉えて一生懸命やる人たちが2名ぐらいいて、その人たちが会社から評価される人たちになってくるしね。だからやってこない人たちが、研修に出たくなくて、さぼるようになってくる。それに対して個人面接をする形になる。または、本人がそこらあたりからより批判的、後ろ向きになって、そうだね7〜8ヶ月する頃にはいなくなっていたということは結構あります。そうやって幹部クラスで1〜2名いなくなると、やっぱり仕事にも影響が出るから採用ということに当然なってくる。

採用はどうするんですか?

採用する時には、自分が立ち会います。会社の方向性や経営者の考え方がわかっていて、こういう人が欲しいという前提がある中で採用をしていくので、こちらが期待していることを当たり前に出来る人を採用していくわけ。そうするとメンバーに入れても何ら遜色がない人が新入社員で入ってくるわけですよ。幹部の方はそうやって研修をやっているから、研修を受けていない他の社員も、最近なんだか変わってきたぞ、変だぞとわかってくるの。

ましてや新入社員が少し今までとは違うことをいうような新入社員だと、周りも意識してくる。そうするとどんな研修やってるんだとか、何をやってるんですかとか従業員も気になってくる。注目されるから余計に集まっている幹部がしっかりしだすということもあるの。そんな中で1年間、1年間はかからないな、6ヶ月あれば。

半年ですね。

うん。半年あれば始めたころと今現状を比べたら、雲泥の差というのが現実に起きてくる。一人ひとり把えるとね、誰がどう変わったかはっきりしないということはあるんだけれど、仕事に規律をつけて物事を考える、いつまでにやるという「いつまでに」というのは共通言語として仕事に反映されるというのはあるね。そういう変化、まあいろんな変化があるんだけれど、前はできなかったんだけれど最近できるようになりましたね、と言えるようなことが3つ4つ5つと出てくるのは事実です。

当然、外部の人も気が付きますよね。

そうだね。例えば電話応対の研修をやった後、お客様から「何をやったんですか」と言われて、「何かありましたか」ときくと「いや電話応対が違ってきた」と言われたことも現実にありますしね。また幹部社員が変化をしてくる。テーマがあいさつであったり、整理整頓であったり5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)に近いような内容が当初どうしてもテーマになる事が多いんだけれど、そういったことがしっかりとなされてくる。目に見えて変化が見られる。とりもなおさず幹部の人たちが自ら主体的に仕事に取り組んでいるということが、その段階ではできるようになっているんでね。そのための介添を自分がしていく。社長の考え方だとかいうのを共感的に理解して、それでみんなを引っ張っていくという役割を担っていく。

やめもしない、不満たらたらで会社に残っているという困った社員が一人二人と出てきます。そういった時に個人面接をスタートさせるわけですが、個人面接をやるとこれは解決できるの。この個人面接は話すと長くなるので、今日は省くけど、経営者と管理職には必要不可欠のスキルだね。

それでは、社長が幹部の方に対して「あっ、この人スイッチが入ったな、変わったな」と思う瞬間はありますか?

あるよ、それは。

具体的にどういうところで「あっ、入った」と思いますか?

そうだね、A社のMさん。彼は会社の将来ということと自分の将来を会社に託すというのかな、要は自分の将来も会社の将来も同じという捉え方ができた段階で、スイッチが入ったかどうか、そこで判断できたよ。ふつう従業員はね、会社と自分の将来がオーバーラップしていないわけじゃない。

そうですね。

まぁ、なんかあったらやめりゃいいや。それだとか、どうしてもこの会社でなきゃいけないんだ、なんてことはないわけじゃない。

はい。しかしそれが本当に会社と共にというところに重なった時に。

そう、それは何かというと、要はこれはおれの会社だと。

これはおれの会社だと思えれば、自然にそういう行動になっていく。逆の言い方をするとそうなった人間は経営者と一緒。

だから真剣に経営者の提案を受け止めて、協力するという姿勢になっていくということですね。そうなるとだれが一番嬉しいかというと、経営者が一番嬉しいですよね。

そういう人間が増えてくれば増えてくるほど、会社は強くなる、当然。

ちなみにA社では、どれくらいの人がそうなっているんですか?

そうだね、これはおれの会社と思っているのは3人かな。社長と△△さんとMさん。

40名の会社で3人というとどうなんでしょう。

ただね、△△さんは身内だからね。他人でその幹部ができなきゃいけないんだよ。だからMさんがいるということは大きいんだよ。

それはね、従業員にしてみると社長や△△さんが言ってることは一緒なの。

それがMさんがいうことによって。

そう、ぜんぜん違ってくる。

身内でない一人ができるというのは大きいんだよ、やっぱり。

そのようにできてくると、経営者の行動はどのように変わりますか?

本来の経営者の仕事ができるようになっていくよ。

本来の経営者の仕事ですか。

うん、従業員一人ひとりの考え方の修正を、これまで社長が口をすっぱくして言ってきたんだけれど、言わなくて済む。

今まで自分の組織を見ていたのを外に向けることができる、前を見る。そこに力を集約することができるということでしょうか。

そうだね。言い方を変えれば、従業員の教育だとか社内の不備な点は任せることができる。自分はお客さんのところとか対外折衝により専念ができる。

組織のことを見るのも大事なことですけれども、それでは利益が生み出されない。

そうなんだよ。生み出されないんだよ。

お客様のところに行ったり、対外折衝をしたりして、サービスを売ってそれでようやくお金が儲かる。

そう。当初の創業時というのは、組織がないから社長が全部外を向いてるわけ。だから成長ができてくるわけ。ところが人が増えてきて組織が出来上がってくると、その組織が自分の考える組織のようになっていかないもんだから、そこに労力が取られて、対外的に時間が取りたいんだけれども取れなくなってしまう。だから売上も止まっちゃう。

そこを安心して任せられる人が欲しいということですね。

そう、任せられるというのは全部ができるということじゃないの。自分がやったほうがいいから、常に不満はあるんだけれど、自分が言わなきゃいけない部分を代わりに言ってくれる。最低限の歯止めはかかっている。その最低限の歯止めもいないと自分でやらなきゃいけなくなる。それは莫大な労力を必要とする。ましてや人の問題だから、人に対するアプローチって時間と労力、エネルギーがものすごく必要なんだよね。

それに関わりあう時間がなかなか取れない...。

だけど関わらざるを得ない。そうしないと売上・粗利・品質・納期・信頼だとかに影響が出てきちゃって、今ある利益もなくなってしまうという現実がある。

なるほど、中小企業にとって成長できるカギは幹部・管理職にあるということがよく理解できました。
管理職の役割を伝える研修を行っていますが、実際の1日の研修でどのような形で伝えているのですか?

ただマネジメント理論を理論で教えるのではなく、今言ってきたような考え方・背景をベースにして研修を行います。他社事例を用いながらわかりやすく伝えるので、どんどん質問をしてほしい。質問をすると受講者全員の理解が深まるからね。

参加者の上司の方には予め質問シートを送り、伝えてほしいことを伺うとお聞きしましたが。

そうそう、それも研修に反映させていきます。

わかりました。それでは、長時間ありがとうございました。


社長の指示通りに社員が動き、片腕となる社員が一人できると、社長は安心して会社の目標・戦略を立てられるようになります。そうすると会社はすぐに50名の規模になります。




平成19年 10月開催予定 
 
9:00〜17:00 (2日間コース)
くわしい内容はこちらから
浜松労政会館 第3会議室(浜松商工会議所7階)
52,500円【テキスト・昼食代を含む、消費税込】
20名




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